CAP-NEWS vol15より

CAP NEWS インタビュー VOL.17

甲斐田 万智子(かいだ まちこ)

認定NPO法人国際子ども権利センター(シーライツ) 代表理事

子どもの権利条約を活かして子ども最優先の社会に ~採択20年を振り返って


私がCAPと出会ったのは、1996年インドから帰国したときでした。帰国後に私がスタッフとなった国際子ども権利センター(シーライツ)が、その年の「子どもの権利条約フォーラム」の事務局を担ったのですが、CAPのワークショップに一参加者として参加し、目からウロコの体験をさせていただきました。特に、子どものときに性暴力を受けた人の中には、おとなになったときに誤った力の行使の結果、性的虐待の加害者となってしまう人がいる(もちろんすべての人ではない)という説明でした。被害に遭った子どもの話を一日も早くおとなが聞いてあげて、そうした子どもが回復する手助けをすることが大事であると痛感しました。

その後、2001年に横浜で「第2回子どもの商業的性的搾取に 反対する世界会議」が開かれ、シーライツは当日だけでなく、その準備段階から子どもたちのためのワークショップにかかわることになりました。そうしたワークショップで子どもたちが自分の体験を打ち明けたくなったり、苦しくなったりしたときにそれらにきちんと対応できる人を会場に用意しておくことの大切さを知りましたが、その役割をCAPの方が担っていらっしゃいました。

2008年にはブラジルで開かれた「第3回子どもの性的搾取に反対する世界会議」に参加する機会が得られましたが、その分科会の1つが「性的加害者に対する精神的社会ケア」というテーマでした。この分野においてブラジルを初め多くの国で人々が10代など若者の加害者に対して精神ケアを進めていることを知り、国を超えて経験交流することの重要性を感じました(詳しくはシーライツ発行「ブラジル会議報告書」をご覧ください)。

昨年、国連子どもの権利条約が採択されて20周年を迎えました。20年前にこの条約がつくられたとき、多くの国の政府が、自国で子どもが性的搾取されている事実を認めようとしなかったことを考えると、性的搾取からの保護、および、それらの被害から回復という子どもの権利が定められ、その後、多くの国でこの権利を実現するための取組みが始まったことは意義深いことだと思います。
子どもの権利条約は、「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」の4つに大きく分けられ、それぞれの権利実現において進展と課題がみられます。5歳の誕生日を迎えることができずに亡くなってしまった子どもは1990年に世界で1250万人だったのが2008年には880万人に減りました。しかし、今でも一日2万4千人の子どもが予防可能な病気で亡くなり、家庭で虐待死する子どもも後を絶ちません。

(CAP NEWS17号<2010年3月発行>より転載)

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